第6日・後編(12/28) アンコール遺跡群
プリ・アカン プリ・アカンとは「聖なる剣」の意味があり、ジャヤヴァルマン七世がチャンパ軍との戦いに勝ったことを記念して、王(父)の菩提寺として建てたとされる。ジャヤヴァルマン七世は仏教徒だが、ヒンズー教など他の宗教も認めた。ここでは、リンガをかたどった石柱の中に仏陀を彫刻を試みるなど、仏教寺院でありながらヒンズー教も取り入れた遺跡を造っている。中央塔にはストゥーパ(墓)があり、内部には無数の穴が開いている。これは、暗い塔内部を明るくするために銅板や銀板をはめ込んだ跡で、光を反射させて明るくする工夫だ。 |
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入口がぽっかり開いている | 大きなガルーダの彫刻 | |
連子状の偽窓とデバター | 人がいない回廊が続く | 崩れてしまっている回廊 |
東メボン 952年にラージェンドラヴァルマン二世によって開かれたヒンズー教のピラミッド式の寺院。東バライ(貯水池)の中心部に浮かぶように建設された。水に浸かっていた遺跡部分は色が変化している。四隅には、一枚岩で造られた象の大きな彫刻がある。中央の塔には、無数の穴があいている。これは、漆喰がはがれ落ちにくくするための工夫だが、現在は全て剥がれ落ちてしまっている。 |
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ピラミッド式の形が美しい | 四隅に立つ象の彫刻 | |
漆喰接着のための穴 | きれいに残っている偽窓 | 紙切れに可愛い花の絵を描いてくれた |
プレ・ループ 961年にラージェンドラヴァルマン二世によって開かれたヒンズー教のピラミッド式の寺院。中央伽藍と東塔門の間に使者を荼毘に付したという石槽が置かれ、火葬場として使用されたようだ。 ここは3層のラテライトの基壇上に5基の祠堂が並ぶ。中央祠堂からは素晴らしい眺めだ。小指くらいの大きさのアンコール・ワットの中央塔も見える。ここのジャングルへ沈むサンセットも素晴らしいという。 |
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5基の祠堂が美しく並ぶ | シンハの後ろ姿は愛嬌がある | |
タ・プローム 1186年にジャヤヴァルマン七世によって創建された仏教僧院で、後にヒンズー教の寺院に改宗された。そのため仏教色の恋彫刻はあまり残っていない。タ・プロームは、自然の力を明らかにするため修復されず、発見当時の姿のまま残されている。ここに到着したのは夕方、陽が大きく西に傾いたときだ。参道脇からカンボジアの伝統音楽が聞こえ、迷路のような内部を歩くと神秘的な雰囲気が心を打つ。 |
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緑色のカビで覆われている | 石を食べるようなスポアン(榕樹)の根 | |
発見当時の姿で残されていて、その歴史を肌で感じることができる | ||
雑記帳 午前中にアンコール・トム、午後は周辺の遺跡群を見てまわり、そろそろお腹がいっぱいになりそうなときに到着したのがタ・プローム。ガイドブックで見ていて、ぜひ行ってみたかったところだ。参道脇からカンボジアの伝統音楽が流れる。地雷により足や目に障害を持った人達が楽器を弾き観光客からのチップを待っている。優雅にも、もの悲しげにも聞こえる音色。時間がなく通り過ぎたが、今度訪ねることができれば、じっくり聴いてみたいと思った。タ・プロームはアンコール・ワットとともに人気がある。修復の噂もあるので早めの訪問がお勧め。 夕食はカンボジア料理だが、広東料理に似た味付けで美味しかった。 |
(7日目・バンテアイ・スレイなど) |