Part ２　　10月はコスモスやススキが風に揺れ秋を実感！
（薬師寺、法隆寺、法輪寺、法起寺、若草山、般若寺）

天武忌万燈会（薬師寺） 天武忌とは、薬師寺の創建を発願された天武天皇は、686（朱鳥元）年9月9日に56歳で崩御されました。そこで、薬師寺一山僧侶挙げて、10月9日（旧9月9日）午前9時に、明日香檜隈大内陵にお参りされます。 併せて、7日から9日まで大講堂の本尊である弥勒三尊像の前に、「天武天皇像」「持統天皇像」「大津皇子像」の絵像がお祀りされます。 8日夜には、大講堂の前にずらっと献灯が並べられ、淡い光が揺れます。
	ちょうちんが眩しい薬師寺	大講堂の前に献灯が並びます
これだけのろうそくの灯りが揺れると荘厳です		東塔と金堂とお月さま
斑鳩の里 斑鳩町西里界隈は、昔ながらの町並みを今に残す静かな集落です。狭い道路の両側に瓦屋根と白壁の民家や蔵が続き、辻にはお地蔵さまがたたずんでいます。“柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺（正岡子規）”と詠まれるほどに奈良の柿は有名ですよね。柿や稲が実り、秋風にコスモスが揺れ、斑鳩ならではの塔のあるいにしえの道の散策はとても楽しいです。
古い西里の町並み	斑鳩には柿がよく似合います	今年も豊作だよね！
辻にはお地蔵さまが佇んでいます	古い歴史と信仰の厚さを感じます	塔のある風景がすてきです
法隆寺 聖徳宗の総本山で、607年（推古15年）に建立されました。推古天皇と聖徳太子が用明天皇の病を治すために、薬師像を祀る斑鳩寺（現法隆寺）の建築を進めたことが始まりとされています。広々とした境内には、金堂や五重塔など現存する木造建築では世界最古といわれる建造物が多数あります。
南大門と修学旅行生の長い列	大講堂と五重塔	聖徳太子がまつられた夢殿
藤ノ木古墳 直径約48m・高さ約9mの円墳で、昭和60年と63年に3回の発掘調査を実施されました。古墳時代後期の6世紀後半に作られたものと考えられ、石室内からは武器・武具、馬具、土器類が出土しました。また、石棺内は未盗掘で、各種の金属製の玉類や1万数千点を超えるガラス玉などの装身具、冠などの金属製品、四面の銅鏡、大刀、剣などの副葬品がそえられており、大きく報道されました。
	古墳公園として整備されています	出土した家型石棺の模型
法輪寺 聖徳太子の子である山背大兄王創建とも伝えられています。創建については不明な点が多くはっきりしないようですが、7世紀には存在していたようです。宗派は聖徳宗、本尊は薬師如来坐像です。現存の三重塔は1975年に再建されたものであるため、世界遺産には含まれていませんが、とても美しい塔です。
	木々に囲まれて建つ法輪寺三重塔
法起寺 聖徳太子が法華経を説いたという岡本宮を寺に改めたもので、法隆寺などとともに太子御建立七ヵ寺の一つに数えられています。境内でひときわ存在感があるのが、高さ約24mの三重塔です。706年に創建され、何度も修復はなされているものの、三重塔としては日本最古・最大級のものとされています。どっしりした塔はなかなか迫力がありました。
	法起寺西門と三重塔	三重塔と講堂
礎石に映る三重塔	法起寺周辺の休耕田にコスモスが咲きます
若草山 奈良を訪れたら必ず見える若草山。冬の風物詩の”山焼き”は知っていても、登ったことのある人は少ないのでは？ 標高342mのなだらかな全山芝生に覆われた山。丸い丘を3つ重ねたような形から、三笠山とも呼ばれています。木々の間を抜けると一重目。ここから頂上への視界が開け、奈良盆地の眺望がとてもきれいです。秋風に揺れるススキ、眼下には大仏殿の大屋根。最高に気持ちいいですよ♪
なだらかそうで意外に急斜面	はじめは木々の合間を登ります	一重目からの眺望もきれい
山頂をめざして登りましょう	大屋根は東大寺大仏殿	二重目付近からの眺めです
般若寺 飛鳥時代に高句麗僧の慧灌（えかん）法師によって開創されました。のち聖武天皇が鬼門鎮護の寺として堂塔を建立したという古刹です。境内には国宝の楼門、本堂、十三重石塔、二基の笠塔婆などがあります。境内一面に咲き競うコスモスが美しい”花の寺”として有名な般若寺。春の山吹や夏の紫陽花もきれいですよ。
コスモスと楼門	十三重石塔と本堂	高さ14.2mの巨大な十三重石塔
日本最古で最大の笠塔婆	コスモスに包まれた石仏	コスモスが美しい境内