大和路の春 2009



Part 1  三名椿と雪柳と木蓮が美しい
(伝光寺、白毫寺、東大寺(開山堂・二月堂)、海龍王寺、秋篠寺)
(2009.3.21訪問)

伝香寺

鑑真和上の弟子、思託律師が宝亀年間に開いたと伝わります。ここには「散り椿(武士椿)」が咲いています。はらはらと花弁が一枚ずつ散るので、その潔さを武士の心に喩えての命名だそうです。伝香寺のお地蔵様は木製の裸体像でで、毎年地蔵会(7月23日)に衣の「着せ替え法要」が行われます。
石仏もやさしいお顔ですね 右の椿が散り椿です
ハラハラと花びらが散ってゆく散り椿
白毫寺

奈良市街の南方、高円山の西麓に建ち、天智天皇の皇子である志貴親王の山荘跡を寺としたものと伝えられています。春の「五色椿」や秋の秋桜が美しく、高台に位置するため眺めの良い寺としても有名です。五色椿は、1本の木に赤や白、斑入りなどの花が咲く珍しいもので、天然記念物に指定されています。五色椿は老木のため、年々花が減ってきているようです。
ひっそりした山門 杏が咲く本堂
椿は散った花も美しいね 五色の花が咲いています 境内からの眺めがきれい
開山堂

東大寺二月堂の西に、宝形造(ほうぎょうづくり)の小さなお堂があります。東大寺の初代別当良弁僧正を祀った国宝のお堂で、僧正像が安置されています。通常非公開ですが、ここに「糊こぼし椿」があります。お水取りに使われる造花の椿を作る時に、糊をこぼしてしまったかのような斑点があるので「糊こぼし」呼ばれる美しい椿です。
開山堂は非公開です 糊こぼし椿
二月堂

3月に行われる「お水取り」で有名な二月堂。お水取りは、正式には「修二会(しゅにえ)」といい、二月堂の本尊である十一面観音に自らの過ちを懺悔して天下奉平・万民豊楽を祈る法要です。この舞台の夕陽がとても美しいので、また見に行ってみたいな♪
開山堂越しに見る二月堂 二月堂の舞台の眺め 石畳の参道も風情があります
海龍王寺

731(天平3)年、光明皇后が創建しました。僧の玄ぼうが唐から帰国の途中暴風雨に襲われ、玄ぼうの乗った船だけがかろうじて種子島に漂着し、帰京することができました。そこで、後に遣唐使たちの渡航の無事を願って開基しました。西金堂の高さ4mの国宝の五重小塔をはじめ、多くの文化財があり、境内を埋め尽くさんと咲く雪柳がとても美しいです。
雪柳が美しい山門 本堂の縁側でのんびり
境内は雪柳が咲き乱れていました 国宝の五重小塔
秋篠寺

光仁天皇の勅願で奈良時代最後の官寺として創建されました。堀辰雄が東洋のミューズと称賛した伎芸天(ぎげいてん)像が安置されています。ふっくらとして頭を傾けた姿がとても美しいです。境内には美しい苔の庭と萩がたくさん植えられ、春には大きな木蓮が美しい花を咲かせます。
技芸天が安置されている本堂 とても美しい庭の苔
満開のモクレンが美しかったよ
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