−椿寺を訪ねて−

等持院(とうじいん)

1341(暦応2)年、足利尊氏が建立した足利氏の菩提寺。初代尊氏から15代義昭までの木像(5、10代を除く)を安置している。衣笠山を借景とした庭園は夢窓国師の作と伝えられている。「心」の文字を形どった心字池と、芙蓉の花を形どった庭園から構成されている。庭園には有楽椿(侘助椿)が美しく咲いていた。ほかにもサツキ、クチナシ、芙蓉などが咲き、秋には美しい紅葉が見られるという。
ひっそりした感じの山門 いきなり祖師像に圧倒される
控え目に佇む茶室「清漣亭」 淡いピンクが美しい有楽椿
地蔵院

「椿寺」の愛称で親しまれている。加藤清正が朝鮮出兵の際に持ち帰って秀吉に献じたもので、秀吉が北野大茶会を催した際にこの地蔵院に寄進したとされている。現在は二代目で、白、しぼり、ピンクなどが一つの木に花開く「五色八重散り椿」。この椿は、ひとひらずつ落下し、美しい散りぎわを見せる。観光客がきわめて少なくゆったり拝観できる。
法然院

法然上人が念仏修行の法灯を掲げた浄土宗の名刹。茅葺きの山門や砂盛りのある池泉式庭園が美しい。また、椿の名所としても名高い。境内は自由に入れるが、伽藍内部は春と秋の一時期のみ公開される。
霊鑑寺(れいかんじ)

円成(えんじょう)山と号する尼門跡寺院で、臨済宗南禅寺派に属する。1654(承応3)年、後水尾天皇が皇女を開基をして創建し、代々、皇女が住職をつとめたので、谷御所、鹿ケ谷比丘尼御所とも呼ばれた。皇室ゆかりの寺宝が多く、池泉鑑賞式の庭や名椿が多数あり椿寺として有名だ。通常は非公開だが、春の椿と、秋の紅葉シーズンには特別拝観が行われる。
霊鑑寺の山門 満開の馬酔木も美しい
落ち着いた雰囲気の本堂 椿は散ったあとも美しい 花弁まで紅い日光(じっこう)椿
アクセス

等持院  京福電鉄「等持院」下車、徒歩8分。または市バス「龍安寺前」下車、徒歩8分。  拝観500円
地蔵院  市バス「北野白梅町」下車、徒歩2分。  境内自由
法然院  市バス「浄土寺」下車、徒歩15分。(哲学の道の近く)  境内自由(特別公開は有料)
霊鑑寺  市バス「錦林車庫前」下車、徒歩10分。  拝観500円(公開日を要確認)


(京の桜は豪華絢爛へ)