湖東三山

比叡山をはじめ琵琶湖周辺には天台宗の寺院が多い。中でも鈴鹿山麓に並ぶ西明寺・金剛輪寺・百済寺を湖東三山と呼ぶ。湖東平野を見渡す高台にあり、自然の中にひっそりとたたずむ。紅葉が美しく、自然の中に調和する隠れた名刹として有名だ。
この日は、人出が多く西明寺を訪ねることはできなかった。

百済寺(ひゃくさいじ)

推古天皇14年、606年に聖徳太子が創建。御堂は百済の梵閣「龍雲寺」を模して建てられた。その後、比叡山に天台宗が開創されるとともに天台の寺院となった。
塔頭三百余坊を容する「天台別院」と称される大寺院であったが、信長の兵火に焼失。江戸時代に井伊氏により本堂・仁王門が寄進された。喜見院の庭園(池泉回遊式庭園)と、高台から見る湖東の景色が美しい。
参道はモミジに覆われていた 大きなわらじは七難即滅を願うもの 喜見院から湖東平野を遠望
金剛輪寺(こんごうりんじ)

聖武天皇の祈祷寺として、行基菩薩が741年に開山した。本堂の大悲閣は檜皮葺、入母屋の鎌倉時代を代表する和様建築として国宝に指定され、三重の塔や木造十一面観音像などの文化財が国の重文指定されている。
また名庭「石楠の庭」の名のごとく、春はシャクナゲの花が咲き乱れ、秋には血染めのもみじと呼ばれる深紅の紅葉が境内を染める。
長い参道は千体のお地蔵さまが出迎えてくれえる。
黒門(大きな提灯が揺れる) 参道は紅葉が美しい
水雲閣(茶室) 無数のお地蔵さまが迎えてくれる 三重塔
国宝の本堂 柔らかな陽ざしを受けて眩しかった 愛知川(えちがわ)の紅葉
永源寺(えいげんじ)

1361年佐々木氏頼が、元光(げんこう)禅師を迎えて開山した臨済宗の総本山。当時は56坊の末庵を有し、2000余りの修行僧がいたという。その後度重なる兵火に焼失したが、彦根藩により復興した。近江一の紅葉の名所といわれ、愛知川(えちがわ)渓流沿いの参道はモミジのトンネルとなる。

数日前に雪が積もったとかで、赤くならずに枯れた葉が多くて残念だった。
永源寺は臨済宗のため湖東三山とは呼ばない。
総門 山門はモミジに覆われる
アクセス

湖東三山及び永源寺は交通の便があまりよくなく、マイカー利用が便利。
いずれも名神高速八日市ICから約20分。


(彦根城へ)