春爛漫の奈良を散策



奈良の春は、椿と桜がとても美しいのに、京都のような混雑がないんです
2008年も、奈良の三名椿や桜を見に行ってみました♪



白毫寺

奈良市街の南方、高円山(たかまどやま)の西麓に建つ。天智天皇の皇子である志貴親王(しきしんのう)の山荘跡を寺としたものと伝えられている。春の「五色椿」や秋の秋桜が美しく、高台に位置するため眺めの良い寺としても有名だ。五色椿は、1本の木に赤や白、斑入りなどの花が咲く珍しいもので、天然記念物に指定されている。残念ながら2週間ほど早かったようで、五色椿はようやく咲き始めたところだった。4月初めがおすすめ! (3月22日訪問)
白毫寺参道 白毫寺の境内 咲き始めた五色椿
朽ちた土塀が郷愁を誘う 眺めのよい境内 ようやく咲き始めた五色椿
開山堂

東大寺二月堂の西に、宝形造(ほうぎょうづくり)の小さなお堂がある。東大寺の初代別当良弁僧正(ろうべんそうじょう)を祀った国宝のお堂で、僧正像が安置されている。通常非公開。ここに「糊こぼし椿」がある。お水取りに使われる造花の椿を作る時に、糊をこぼしてしまったかのような斑点があるので「糊こぼし」呼ばれる。 (3月22日訪問)
開山堂境内 糊こぼし椿 鹿の親子
開山堂境内(非公開) 糊こぼし椿 の〜んびりの鹿
伝香寺

近鉄奈良駅から数分のところに「伝香寺(でんこうじ)」がある。鑑真和上の弟子、思託律師が宝亀年間に開いたと伝わる。ここには「散り椿(武士椿)」が咲いている。武士椿は、はらはらと花弁が一枚ずつ散るので、その潔さを武士の心に喩えての命名だそう。まだ早くてあまり散ってなかったのは残念だった。伝香寺のお地蔵様は木製の裸体像でで、毎年地蔵会(7月23日)に衣の「着せ替え法要」が行われる。通常は非公開の秘仏だが、特別に開扉されていた。とても美しいお顔だった。 (3月22日訪問)
伝香寺本堂 はだか地蔵尊 武士椿
伝香寺本堂 はだか地蔵尊 武士(もののう)椿
氷室神社

国立奈良博物館のまん前に位置する神社で、氷の神様が祀られた珍しい神社だ。普段はひっそりしているが、この枝垂れ桜が咲くころはものすごい人で賑わう。平城遷都にともない春日山のふもとにも氷室をつくり、氷の神を祭ったのが始まりとされている。献氷祭(5月1日)ではコイやタイを封じ込めた高さ1メートルほどの氷柱が神前に供えられる。 (4月5日訪問)
氷室神社のしだれ桜 氷室神社のしだれ桜 氷室神社のしだれ桜
鷺池・浮見堂

大正5年に建てられたこの浮見堂は平成6年に再建された。「浮御堂」と書いていたが、神仏と関係がないことから改名して「浮見堂」となったそうだ。鶯池に自らの六角形の黄金の影を落とす様は幻想的ですばらしい。早朝の静けさと、周囲に植えられた桜が美しかった。 (4月5日訪問)
浮見堂 浮見堂 浮見堂
海龍王寺(かいりゅうおうじ)

731(天平3)年、光明皇后が創建した。僧の玄ぼうが唐から帰国の途中暴風雨に襲われ、玄ぼうの乗った船だけがかろうじて種子島に漂着し、帰京することができたという。後に遣唐使たちの渡航の無事を願って開基した。法華寺の東北隅にあったことから、「隅寺」とも呼ばれている。西金堂の高さ4mの国宝の五重小塔をはじめ、多くの文化財がある。また、境内を埋め尽くさんと咲く雪柳が、本堂や西金堂を明るく優しい雰囲気に包み込んでいた。 (4月5日訪問)
海龍王寺本堂 海龍王寺の雪柳 五重小塔
海龍王寺本堂 雪柳が咲き乱れる境内 国宝の五重小塔
法華寺

大和三門跡に数えられる尼寺で、光明皇后の姿と映したとされる十一面観音菩薩を安置する。藤原不比等の住居を娘の光明皇后が譲り受けて、総国分寺の東大寺に対する総国分尼寺として建立された。境内には光明皇后が薬草を煎じて、その蒸気で多くの難病者を救済したとされる「浴室(からふろ)」や、横笛が滝口入道との悲恋の末に出家して仏道に励んだという横笛堂、東庭園、光月亭などがある。 (4月5日訪問)
法華寺本堂 名勝庭園 浴室
広い境内と本堂 杜若が咲くと美しい名勝庭園 浴室の前に咲く桜、レンギョウ、雪柳
石舞台古墳

蘇我馬子の墓と伝えられる石舞台。確証はなく、上部の封土がないのは、蘇我氏の悪行を懲罰するためにはぎ取られたという説がある。また、昔狐が化けて石の上で舞をみせたので「石舞台」という名がついたという説も残っている。広さ8坪の横穴式石室があり、使われている石の総重量は約2300トン。天井石は77トンもあるという。付近は古墳を中心に、芝生広場や休憩所などが整備されている。春の桜や、秋のススキ・萩・彼岸花などが美しく咲く。 (4月6日訪問)
桜と菜の花 石舞台と染井吉野 ランチ
菜の花と桜が美しかった 石舞台と染井吉野 古代米御膳
阪田寺跡 阪田寺跡 明日香の集落
桜、レンギョウ、タンポポが咲く「阪田寺跡」 明日香はサイクリングが楽しい
稲淵の棚田に咲く菜の花 稲淵の棚田に咲く菜の花 稲淵の棚田に咲く桃と菜の花
稲淵の棚田は菜の花がとても美しく、いい香りが漂っていた
橘寺

創建の事情や年代については明確ではない。聖徳太子生誕の地ともいわれている。8世紀には66もの堂塔があったが、現在の本堂、太子堂などは江戸期に再建されたもの。室町時代の聖徳太子坐像などを伝えている。また、境内には2つの顔が刻まれた二面石がある。のどかな田園地帯にあり、春は桜や菜の花、秋には彼岸花が咲き乱れている。 (4月6日訪問)
橘寺の菜の花 橘寺の境内
橘寺北側の菜の花 境内は桜が美しい
橘寺の桜 往生院の天井画 二面石
東門(正門)と満開の桜 往生院の花の天井画 2つの顔が刻まれた二面石


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