桜花爛漫の佐保路を散策



平城宮跡から東大寺の転害門へ、平城京の一条大路界隈を佐保路と呼ばれています
佐保の三観音寺院である法華寺・海龍王寺・不退寺の観世音菩薩像や天平文化の建造物、
優美な寺宝、境内に咲き誇る美しい花などを見て歩きました
いわゆる観光寺院ではないので、のんびり散策することができました



法華寺(ほっけじ)

大和三門跡に数えられる尼寺で、光明皇后の姿と映したとされる十一面観音菩薩を安置する。藤原不比等の住居を娘の光明皇后が譲り受けて、総国分寺の東大寺に対する総国分尼寺として建立された。正式には法華滅罪(めつざい)之寺という。境内には光明皇后が薬草を煎じて、その蒸気で多くの難病者を救済したとされる「浴室(からふろ)」や、横笛が滝口入道との悲恋の末に出家して仏道に励んだという横笛堂、東庭園、光月亭などがある。
法華寺 本堂
明るく清楚な雰囲気だ 桃山時代に再建された本堂
から風呂 光月亭 木瓜の花
浴室(からふろ) 月ヶ瀬の民家を移築した光月亭 木瓜の花も美しかった
海龍王寺(かいりゅうおうじ)

731(天平3)年、光明皇后が創建した。僧の玄ぼうが唐から帰国の途中暴風雨に襲われ、玄ぼうの乗った船だけがかろうじて種子島に漂着し、帰京することができたという。後に遣唐使たちの渡航の無事を願って開基した。法華寺の東北隅にあったことから、「隅寺」とも呼ばれている。西金堂の高さ4mの国宝の五重小塔をはじめ、多くの文化財がある。
境内を埋め尽くさんと咲く雪柳が、本堂や西金堂を明るく優しい雰囲気に包み込んでいた。
海龍王寺 ユキヤナギ
東門にユキヤナギが映える 小さな花だが密集するとすごく豪華
西金堂と雪柳 本堂と雪柳 西金堂の五重小塔
西金堂とユキヤナギ 本堂とユキヤナギ 西金堂内に安置されている五重小塔
佐保の古墳群

佐保の周辺には、大小あわせて約50基もの古墳が集中している。大型古墳が多いのが特徴で、大和にある全長200mを超える前方後円墳19基のうち7基までがこの地に築かれている。これらを結ぶ「歴史の道」が整備され、一帯は静寂につつまれ墳丘の森に棲む野鳥のさえずりが、ひときわ大きく聞こえてくる。歴史の道は1972年に奈良市が定めたルートで、広大な平城京をめぐる全長約27kmの道。
コナベ古墳 ウワナベ古墳
コナベ古墳 ウワナベ古墳
不退寺(ふたいじ)

平安遷都後も奈良を愛し続けた平城(へいぜい)天皇が、譲位後に住んだ御殿で、萱葺きだったことから「萱の御所」と呼ばれた。後に孫の在原業平が自ら本尊を刻んで安置し、「業平寺」とも呼ばれる。正式には「不退転法輪寺」と称する真言律宗の寺院。本堂にはリボンをあしらった優美な聖観世音菩薩立像や、五大明王像などが安置されている。
境内は四季それぞれに美しく、満開のレンギョウの黄色が眩しかった。
不退寺本堂 多宝塔
不退寺本堂 美しい配置の池と多宝塔
石棺 雪柳 レンギョウ
付近の古墳から運ばれたであろう石棺 ユキヤナギも満開 色鮮やかなレンギョウ
佐保川

奈良春日原生林に発し、奈良市内を通る佐保川は万葉集にも多く歌われている。今ではコンクリートの護岸となっているが、川堤は桜並木となっていて、とても美しくホッとする風景だった。
佐保川堤の桜並木 佐保川堤の桜並木 佐保川堤の桜並木
アクセス

法華寺
 近鉄線「西大寺」または「近鉄奈良」下車、バスで10分「法華寺」からすぐ   拝観料 500円(特別拝観などは別途)
 9:00〜17:00  無料駐車場あり

海龍王寺
 法華寺からすぐ  拝観料 400円  9:00〜16:30  無料駐車場あり

不退寺
 近鉄線「近鉄奈良」下車、バスで12分「一条高校」から徒歩7分  海龍王寺から歴史の道を歩いて20分
 拝観料 400円  9:00〜17:00  無料駐車場あり