京都の夏 '07


−花園、嵯峨野を散策−


2007年の夏は、梅雨入り後ほとんど雨が降らない6月、雨や曇りが続いて涼しかった7月、
酷暑となって記録的な高温で熱中症が多発した8月と、気象変化が大きかった。
それでも、蓮や百日紅など夏の花たちは美しい姿を見せてくれた^^



退蔵院(たいぞういん)

1404(応永11)年、波多野出雲守重通が妙心寺第三世無因宗因禅師に帰依して建立した。妙心寺山内寺院中、屈指の古刹で、狩野元信の作庭という方丈庭園や、「瓢鮎図(ひょうねんず)」は水墨画の祖といわれる如拙の代表作が有名だ。
また、回遊式庭園は、昭和の名園「余香苑」と呼ばれている。四季を通じて花が美しく、この日は蓮が美しく咲いていた。妙心寺は非公開の塔頭寺院が多いが、退蔵院は通年公開している。
退蔵院の玄関 元信の庭
門をくぐり玄関へむかう 枯山水 元信の庭
水琴窟 余香苑 蓮
蹲の下は水琴窟となっている 回遊式庭園の「余香苑」 蓮の花がきれい
法金剛院(ほうこんごういん)

平安初期の右大臣清原夏野の山荘を、1130(大治5)年、鳥羽上皇の中宮待賢門院が復興した。その後荒廃したが、1617(元和3)年、泉涌寺の照珍によって再建された律宗寺院。名勝の庭園中央には大きな蓮池がある。「蓮の寺」とも言われ、7月には境内が蓮の花に埋まる。極楽に咲くという蓮の花は清楚で、華麗で、心を清々しくしてくれる。また、蓮に限らず年中花が咲く美しい寺でもある。
法金剛院 池の蓮
緑に覆われる玄関 池の蓮が咲き出していた
鉢の蓮 オニユリ 桔梗
境内は大きな蓮の花に埋まる オニユリも美しかった 前夜の雨に濡れた桔梗
宝筐院(ほうきょういん)

平安時代に白河天皇の勅願寺として創建され、「善入寺」と名づけられた。その後平安、鎌倉時代にかけては、数代にわたり皇族が入寺して住持となり、南北朝時代の貞和年間(1345〜50)に夢窓国師の高弟の黙庵周禅師が入寺し、衰退していた寺を復興させ、これ以後は臨済宗の寺となった。八代将軍義政の代に宝筐院と改められた。紅葉の美しい寺で、とくに晩秋の散紅葉は素晴らしい。
宝筐院の境内 宝筐院の本堂 宝筐院の境内
雨上がりで緑が清々しかった オフシーズンでひっそりした本堂 もみじが美しい境内
大沢池

嵯峨天皇の離宮(大覚寺)の庭湖として造られた池。池の堤には、桜、楓、松などが植えられ、池の中には天神島と菊ケ島が浮かんでいる。池の北には石仏や、心経宝塔、名古曾の滝組跡などがある。観月の名所としても有名だ。また、池には蓮が群生し、畔には多くの桜や楓が植えられている。
大沢池と大覚寺 大沢池の蓮 大沢池の蓮
常寂光寺(じょうじゃっこうじ )

1596(慶長元)年、日蓮宗大本山本圀寺の日禎上人が隠棲した庵を寺に改めた。小倉山の中腹に、本堂、妙見堂、多宝塔などが並び、常寂光土に遊ぶような風情があるところから、「常寂光寺」との名がつけられたといわれるように、山の急斜面を上り下りしながら、見上げる景色や上からの景色などを楽しむことができる。晩秋は寺内の紅葉がトンネルのように寺を包み込み、絶景となって素晴らしいが、ものすごい観光客が押し寄せる。。。
常寂光寺の本堂 常寂光寺本堂裏の庭園
ひっそり佇む本堂 本堂西側にある庭園
境内の見晴らし 仁王門 常寂光寺の境内
境内から嵯峨野を一望できる もみじに包まれる茅葺きの仁王門 緑が美しい境内
アクセス

退蔵院    JR嵯峨野線「花園」駅下車、徒歩10分  拝観料400円  9:00〜17:00
法金剛院  JR嵯峨野線「花園」駅下車、すぐ  拝観料400円  9:00〜17:00 (蓮の開花期間は早朝開門あり)
宝筐院    JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩15分  拝観料400円  9:00〜17:00
大沢池    JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩20分  9:00〜16:30 (散策には協力金を)
常寂光寺  JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩15分  拝観料400円  9:00〜17:00


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