北山台杉

京都市街から西北に20km、紅葉の名所高雄からさらに北上すると、丸太林業で栄えてきた北山杉の里・中川だ。この付近は美しい北山杉の山並みが続いている。台杉(写真右)は、急峻な山で効率よく磨丸太を生産する方法で、室町中期に「取り木」と呼ばれる台をつくり、そこから枝を垂直に伸ばして「立ち木」に仕立て、恒常的に磨丸太を生産する方法だ。中川には樹齢数百年もの台杉を見かける。しなやかで優美な姿が観賞用としても広く利用されている。
北山杉 北山台杉
宗蓮寺(そうれんじ)

室町時代に創建された浄土宗の古刹。苔むした石段を登ると美しい秋明菊が迎えてくれる。秋明菊は、京都の貴船あたりで多く自生していたことから貴船菊とも呼ばれが、今では激減し住職が長年かかって増やされたという。また、周辺の民家でもたくさん栽培されている。清楚な白や薄紅色の可憐な姿が心に染み入る。観音様が優しく見守る境内に、秋明菊や石蕗が柔らかな秋の陽を浴びて咲き競っていた。
宗蓮寺 宗蓮寺参道
宗蓮寺境内 宗蓮寺の秋明菊 宗蓮寺の秋明菊
境内いっぱいに咲き競う秋明菊や石蕗
宗蓮寺の石蕗 宗蓮寺の秋明菊 宗蓮寺の境内の観音像
宗蓮寺の秋明菊 宗蓮寺の秋明菊 宗蓮寺の秋明菊
栂尾・高山寺(こうざんじ)

高雄・槙尾・栂尾を「三尾」といい、その一番奥が栂尾。高山寺は、774(宝亀5)年に創建され、鎌倉時代に明恵上人が再興した。このとき後鳥羽上皇の賀茂別院にあった石水院(せきすいいん)が移築された。この石水院に「鳥獣人物戯画」の模写がある。(原本は東京国立博物館に寄託中)
広い境内には、金堂や開山堂などが点在している。また杉の巨木や老松、もみじなどの樹木が茂り、自然の景観が美しい。
高山寺 高山寺表参道
高山寺石水院 高山寺金堂 開山堂
鳥獣人物戯画を所蔵する石水院 階段の上には金堂 楓に囲まれた開山堂
槙尾・西明寺(さいみょうじ)

832(天長9)年、空海の高弟・智泉大徳が神護寺の別院として開いた。その後荒廃したが、鎌倉時代に自証上人によって再興された。現在の建物は、元禄年間に桂昌院の寄進により再興されたもの。もみじに覆われた山門をくぐると正面に本堂が見える。本尊の釈迦如来立像と千手観音立像は重要文化財に指定されている。紅葉の名所として有名で色づき始めていた。
西明寺の楓 西明寺の本堂
色づき始めたもみじ 山門の正面に建つ本堂
西明寺 西明寺の山門 西明寺の楓
真っ赤な指月橋を渡り階段を上ると山門が現れる 多くの楓が植えられている
高雄・神護寺(じんごじ)

824(天長元)年、高雄山寺と和気清磨呂が建立した河内の神願寺と合併して、現在の寺名になった。また、唐から帰朝した空海が、ここに14年間住持していた。諸堂は応仁の乱で大師堂を除いて焼失し、江戸時代以後に再建された。
有数の紅葉の名所であり、晩秋には多くの観光客が訪れる。バス停からは、いったん清滝川まで階段を降りた後、急な石段を15分ほど登ったところに山門がある。広い境内には、金堂、多宝塔、五大堂など多くの建築物があり、地蔵院の庭からの眺める錦雲渓と呼ばれる渓谷は絶景だ。
神護寺の硯石 神護寺の山門
弘法大師が硯に使ったという「硯石」 神護寺山門(楼門)
神護寺の境内 神護寺の境内 神護寺の境内
境内のもみじは色づきはじめていた 毘沙門堂ともみじ
神護寺の金堂 神護寺の金堂 神護寺の紅葉
階段の上に建つ金堂には薬師 如来立像が安置されている 境内は紅葉がはじまっていた
みどころ
 宗蓮寺 JRバス「北山中川」下車、徒歩10分 (数台の駐車スペースあり)
       境内自由 10:00〜16:00
清滝川
 高山寺 JRバス「栂尾」下車、すぐ (無料駐車場あり)
       拝観料 400円(石水院拝観は別途600円) 8:30〜17:00

 西明寺 JRバス「槙尾」下車、すぐ (駐車場あり)
       境内自由(紅葉の季節は400円) 9:00〜17:00

 神護寺 市バス、JRバス「高雄」下車、徒歩20分 (周辺に有料駐車場あり)
       拝観料 500円 9:00〜16:00

*高雄〜栂尾は紅葉シーズンは駐車場はすぐに満車になる。栂尾までは比較的バスの本数が多いので、バス利用が無難。(JRバス 京都駅〜高雄 約50分)


戻る