泉涌寺(せんにゅうじ)

東山三十六峰の月輪山の麓にたたずむ。皇室とゆかりが深く、御寺(みてら)として親しまれている古刹で、弘法大師が草庵を結んだことに由来する。
境内には仏殿・舎利殿、霊明殿などの伽藍を配し、春の新緑、秋の紅葉には一段とその美しい姿を映えさせている。
大門近くの観音堂には、唐の玄宗皇帝(げんそうこうてい)が楊貴妃の冥福を祈り造らせたという楊貴妃観音坐像が祭られ、良縁や安産、美容に御利益があるという。
鬱蒼とした木立と仏殿 舎利殿(左)と仏殿
月輪御陵の前庭と御座所の庭を兼ねて造られたと伝わる林泉形式の庭 楊貴妃観音像が祭られている観音堂
雲龍院(うんりゅういん)

泉涌寺の少し奥にあり、泉涌寺の別院で、写経道場として受け継がれ現在に至っている。創建は1372(応安5)年、後光巌天皇により、焼失再建を繰り返し、後水尾天皇より再興した。本尊は薬師如来、珍しい「走る大黒天尊像」が、なんと台所にあるので見落とさないで。
庭園には大きなもみじがあった。秋のシーズンも観光客が少なく穴場だという。書院でゆっくり紅葉を眺めながら抹茶をいただきたいな。
サツキが美しい 手入れが行き届いている庭園
美しい庭園 掛け軸に見えませんか? ここでお抹茶をいただける
来迎院(らいごういん)

大石内蔵助が隠棲した泉涌寺の塔頭。もとは空海の創建と伝わり、木々が生い茂る境内はまさに隠れ家といった雰囲気だ。境内に独鈷水(どっこすい)という名水が湧き、内蔵助はここに茶室「含翠軒」を建て、京阪の同士とたびたび密議を共にしたという。心字池を中心とした池泉回遊式庭園はもみじに埋まっていた。
静かにたたずむ本堂 もみじに覆われた山門 含翠(がんすい)庭
今熊野観音寺
(いまくまのかんのんじ)


西国三十三所観音霊場の第15番札所。空海が、熊野権現の化身の老翁から一寸八分の観音像を授かり、安置したことにはじまる。1616(応保元)年、後白河法皇の熊野勧請以来栄えたが、応仁の乱で荒廃し、正徳年間(1711〜1716)に勧進復興された。
頭痛封じ・知恵授かり・学業成就・厄除開運・健康長寿・中風封じ・ぼけ封じの観音さまとして信仰を集めている。
本堂前には「五色のもみじ」があり、紅葉の隠れた名所だという。
「五色のもみじ」が美しい本堂 子まもり大師像
アクセス

泉涌寺  JR、京阪「東福寺」駅下車、徒歩10分  伽藍拝観 500円、特別拝観(御座所、庭園)  9:00〜16:30
雲龍院  拝観 200円  9:00〜16:30
来迎院  拝観 300円  9:00〜17:00
今熊野観音寺  境内自由  8:00〜17:00