伏見と十石舟

400年前、豊臣秀吉が伏見丘陵の山頂に、豪華絢燗たる伏見城を築き発展してきた城下町。江戸期から今日に至る各時代の建物や酒蔵立ち並んでいる。「京都百景」の一つに数えられるとともに、環境省の「かおり風景100選」に「伏見の酒蔵」が選ばれた町の散策は楽しい。
淀川三十石船は旅客専用の船で、伏見南浜から大坂八軒屋までを1日2回運行していた。このような三十石船をかたちどった十石船が濠川を行き交う。
伏見城の外堀だった濠川(ほりかわ)を十石舟が行き交う
寺田屋

船を待つ客が泊まった船宿。幕末には、坂本龍馬が薩摩・長州との連絡に使った。薩摩藩の内乱の寺田屋騒動の舞台として有名。妻お龍との出会いの場所でもある。「旅籠寺田屋」と書かれた提灯は、江戸時代そのままの姿をとどめている。風呂場や部屋など、館内が一般に公開されている。
新撰組人気のため?、多くの観光客が訪れていた。
八臂弁財天が本尊の長建寺 まちのあちこちで名水が湧く
酒どころ・伏見

1637(寛永14)年、大倉治右衛門が船着き場のすぐ近くで酒造りをはじめた。街道筋に面し、良質で豊かな地下水にも恵まれて発展した。現在も、ほとんどの酒蔵は、この濠川に接して建てられ、明治の終わり頃までは、米・薪炭・樽材などの原材料から、酒樽まで、すべてがこの濠川を上下する船で運ばれていた。大蔵酒蔵や黄桜酒造など酒どころを歩くのも楽しい♪
月桂冠大蔵記念館(左)、黄桜記念館(中・右)界隈   この一帯は「京都百景」の一つに数えられている
アクセス

伏見へは  京阪「伏見桃山」駅、近鉄「桃山御陵前」駅、JR「桃山」駅下車、徒歩5〜10分。
アブラナと酒蔵がよく似合う  バックは松本酒蔵