03年の関西の秋は異常に気温が高く、例年のように紅葉は進まなかった。真っ赤に色づくはずの京もみじは
黄色くなっただけで縮れて散ってしまうものが多かった。そんな中、嵯峨野では散り紅葉が見られそうとの
情報が入りさっそく出かけてみた。期待どおり、素晴らしい散り紅葉を見ることができた^^

嵯峨の3か寺のもみじを楽しんだあと、京都の西の端から東の端へ大移動。東山の高台寺、清水寺を訪ねた。

宝筐院(ほうきょういん)

平安時代に白河天皇の勅願寺として創建され、その後臨済宗の寺となった。
本堂、書院前の庭園は、白砂・青苔と多くの楓からなる回遊式枯山水の庭が広がっている。ひっそり静まりかえった庭園は、美しい散り紅葉で埋め尽くされていた。

阪急嵐山駅から徒歩30分。JR嵯峨嵐山駅から徒歩20分。
ここは03年京都オフ会でも訪ねた。その模様はこちら。(新しいウインドウが開きます)
厭離庵(えんりあん)

小倉山の麓に位置する厭離庵は、京極黄門定家郷(藤原定家)が住んでいた山荘の旧跡で、小倉百人一首を編纂したところだ。その後荒廃したが、冷泉家が修復し、厭離庵の寺号を得て、1772年に臨済宗天龍寺派となった。再び荒れた後、現在は尼寺となっている。
厭離庵の「厭」とは「飽きること」という意味だそうで、つまり「飽きることのない庵」というところだろうか。小さな庭園は本当に美しく、いつまでも眺めていたいところだ。

宝筐院から徒歩5分程度。
祗王寺(ぎおうじ)

小倉山麓、竹と楓に囲まれたささやかな草庵だで、11月末からの紅葉がとくに美しい。
「平家物語」ゆかりの草庵で、平清盛が寵愛した祗王、妹祗女、母刀自と、仏御前が出家して余生を送ったところと伝えられている。仏間には祗王・祗女・母刀自・仏御前と清盛の木像が仲良く並んで安置されている。ひっそりした庵は、恋に破れた女達の傷心を慰め、安らぎへと変えていってくれたのだろう。

厭離庵から徒歩5分程度。
高台寺(こうだいじ)

東山の山麓に位置し、豊臣秀吉の菩提を弔うため、秀吉夫人の北政所(ねね)が、1606(慶長11)年に開創。1624(寛永元)年に建仁寺の三江和尚を開山に迎え高台寺と称した。
庭園は小堀遠州の作によるもので、国の史跡・名勝に指定されている。春、秋にはライトアップも行われている。

市バス「東山安井」下車、徒歩5分。
清水寺(きよみずでら)

778年に僧延鎮が開山し、平安建都間もない798(延暦17)年に坂上田村麻呂が創建したと伝えられている。現在の建物の多くは徳川家光の寄進によって再建されたもの。
広い境内に建つ国宝の本堂・舞台と重要文化財の十五堂塔の建築美が山合いに映える。春の桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季それぞれに美しい。1994年世界文化遺産に登録された。

市バス「清水道」下車15分。高台寺から徒歩15分。
アクセス

嵯峨野へ 京都駅からJR嵯峨野線(山陰本線)で嵯峨嵐山下車。 または市バス、京都バスもある。
        阪急電鉄「嵐山」駅、京福電車「嵐山」駅の利用も便利。
高台寺 市バス「東山安井」下車東へ5分。
清水寺 市バス「清水道」または「五条坂」下車東へ15分。高台寺からは、二年坂・産寧坂を経由して15分程度。