廬山寺(ろざんじ)

正式名を慮山天台講寺という。938(天慶元)年に元三(がんざん)大師(慈恵大師)によって船岡山に創建され、1571(元亀2)年に織田信長の焼き打ちをまぬがれ、現在地に移された。本堂は、光格天皇の勅命により、仙洞御所から移築されたもの。また、紫式部の邸宅跡として知られ、「源氏物語」をはじめほとんどの著書がこの邸宅で執筆したといわれている。本堂前の「源氏の庭」は白砂を敷き、苔を配して、そこに紫式部にちなんで桔梗が植えられている。
なお、紫式部は日本で唯一フランスのユネスコ本部に「世界の五大偉人」(世界最古の偉人並文豪)として登録された。
源氏の庭 紫式部にちなんだ歌碑
庭は平安時代の雅やかさを巧みに表現され、いつまでも眺めていたかった
智積院(ちしゃくいん)

真言宗智山派の総本山智積院は、五百仏頂山根来寺智積院と称し、京都の東山山麓に位置する。弘法大師を宗祖、興教大師を真言宗中興の祖として仰いでいる。山内には、約二十余りの堂塔伽藍があり、堂塔の中心に当たる金堂には、御本尊大日如来を安置している。
また、長谷川等伯らによって画かれた楓図や桜図の障壁画など、文化遺産も多い。さらに名勝庭園は、利休好みの庭と伝えられ中国の廬山を形どって造られている。
大書院のふすま絵 名勝庭園
境内には美しい桔梗が咲き誇っていた。また金堂横には蓮池もある
祇園祭

日本三大祭の一つ「祇園祭」は、祇園にある八坂神社の祭礼で、疫病が流行した869年6月7日、災厄除去を祈るために行われた祇園御霊会(ごりょうえ)に由来する。11世紀になって鉾が登場した。祇園祭は町衆自身が自らの自治組織により作り上げた祭。
祭を代表する32基の山鉾の駒形提灯に灯がともると、祇園ばやしが奏でられる。各山鉾町の町会所では、山鉾を飾る豪華なご神体・胴懸などの貴重な秘蔵の品々が展示される。いくつかの山鉾に上がらせていただける。(女性は上がれない鉾もある)
17日は朝から山鉾巡行が行われる。
放下鉾の上から見た南観音山と秘蔵の品
厄除けちまきなどが売られている 舟を形取った船鉾 祇園ばやしが鳴り響く
山鉾の前を飾る駒形提灯に灯がともると、ほんのりとした明かりに祭り情緒が漂う
アクセス

廬山寺 市バス「府立医大病院前」下車すぐ。向かいには萩が有名な梨木神社、京都御所がある。
智積院 市バス「東山七条」下車すぐ。近くに三十三間堂や国立博物館などがある。
祇園祭 山鉾を見るなら、宵々々山(7月14日)から提灯に火がともる。山鉾巡行は17日午前中。阪急電鉄、市バス「四条烏丸」下車。